タイ サメット島 (2001.2.2)

タイの東部ラヨーンの沖に浮かぶ小さな島サメット島は日本ではなじみがないが有名なパタヤから1時間ほどの所にある。サメット島はは全長5キロほどの小島で周囲をさんご礁の美しい海に囲まれ、島全体が国立公園に指定されている。海岸沿いの遊歩道を歩いて点在するビーチを見ながら島の南端まで歩くことができる。

バンコックのエカマイバスターミナルから 3時間ほどでタイ東部にあるラヨーンに到着する。ラヨーン一帯は果物の産地で、特にドリアンの生産の盛んなところだ。町には大きなフルーツマーケットがあり、珍しい熱帯フルーツにお目にかかることができる。

 

ラヨーンのバスターミナル

 

フルーツ市場のくだもの店

ホテルへ向かう途中に小さなフルーツ店があった。初めて見る珍しいフルーツもあり、どの果物も値段は1キロ20〜40バーツ(60〜120円くらい)と安い。
店のおばさんはタイ語しか話せなかったが日本人かと親しげに話しかけてきた。 盛りは過ぎていたがマンゴスチンがあったので1キロ買うことにした。マンゴスチンは果物の女王といわれ、白い果肉はさわやかな酸味と程よい甘さがあり、熱帯フルーツではもっとも好きな果物だ。

ラヨーン近くはドリアンの産地。市場にはドリアンが山のように積み上げられていた。日本では1個2000円以上で売られているが、ここではたったの35バーツ、約100円だった。
ドリアンはなぜか日本のテレビや雑誌では強烈な異臭がすることが強調されるがそれほど強烈なにおいではなかった。皮を切ると甘い香りがし、黄色の実は口の中でとろける。でも果物の王様と言われるほどうまいとは思わなかった。

 

出荷を待つドリアンの山

 

ラヨーンの中心街

ラヨーンは田舎の小さな町かと思っていたがかなり大きな町で、大型のホテルも何箇所かあり、郊外には石油コンビナートもある。町の中心部には商店が多く活気があり、日が落ちると道路には東南アジア名物の屋台がずらりと並ぶ。

ホテル近くのフルーツマーケットに行くと、今はみかんが旬のようでどの店もみかんを山のようにきれいに並べている。そのほかにもおなじみのマンゴ、パパイア、バナナ、パイナップル、それにびわのような甘酸っぱい小さな果物やカキのような形をしているが中は黒砂糖のように甘い果物、それに少しだがマンゴスチンもある。値段はどの果物も20〜40バーツぐらいでランプータンだけは15〜20バーツと安い。熱帯フルーツに混じってブドウやリンゴが並んでいた。これらの果物は主にニュージーランドから輸入されたもので、タイも豊かになり最近では輸入果物も店先に並ぶようになった。

 

色とりどりのトロピカルフルーツ

 

夜になるとにぎわうマーケット

東南アジアは夜になるとにぎやかになる。夜になれば日中の強烈な暑さも和らぎ道路には屋台が並び、広場には何でもありの店が並び、人で身動きができないほどの賑わいになる。
男性のズボンは500円、パンツは50円と格安。でも品質はいまいちだ。

ラヨーンからフェリーの出るバンペイまではソウテンで行く。ソウテンはタイの庶民の乗り物だが外国人にはちょっと利用しずらい。 フロントガラスに行き先が書いてあるので終点まで行く場合は分かるが、途中で降りるときはどのソウテンに乗ればいいのか分かりにくい。
バンペーまでは15バーツ、30分ほどで到着する。タイの道路は直線的で道幅も広く市の中心部を出れば信号もほとんどないのでどの車も猛スピードで走る。
ソウテンは終点のバンペイのフェリー乗り場の前でとまる。ソウテンを下りて市場を抜けるとフェリーの乗船券売り場がある。

 

バンペーまではソウテンでいく

 

サメット島へ行くバンペーの-フェリー桟橋

フェリーの片道切符を購入したが人数が集まらないと出発しないという。桟橋へ行ってみると既に外国人とタイ人らしい人10人ぐらいがベンチで待っている。ここでは気長に乗客が集まるのを待つ以外ない。
ぽつぽつと乗客の数もふえ9時ころようやく出船することになった。フェリーといっても木造の漁船を一回り大きくしたくらいの船で、もちろん人しか運ぶことはできない。

2階甲板に上がり他の人が乗り込むのを待っていると外国人数人のグループが係りの人と猛烈な口論をはじめた。 男女のグループでなにやら切符のことでもめているようだ。しばらく口論が続いたがあきらめて乗船券を購入して乗り込んできた。フェリーはいろいろなところから出ており、会社も異なるので手違いでもあったのだろうか。全員が乗り込むと船はゆっくりと桟橋を離れた。サメット島まではおよそ30分で到着する。 それにしても西欧の女性はたくましい。口論はほとんど女性がし、男性は横に立っているだけだった。

 

フェリーの乗客

 

サメット島へ向かうフェリー

サメット島は日本ではあまりなじみがないが、有名なパタヤから50キロほど東のバンペーの沖合い5kmほどに浮かぶ小さな島だ。島全体が国立公園になっており、海岸入り口の公園事務所で入園料200バーツをはらわなければならない。
ビーチは島の東側に集中し、西側はガケが多くビーチはほとんどない。また、島には大規模なホテルはなくバンガローが多い。観光客は交通の便のいい北側に集中し、南に行くほど人の数も少なく静かになる。ただし交通の便は悪く、フェリー到着時にソウテンが出るがそれ以外には交通手段はなく、自分の足であるかなければならない。

 

公園事務所で入園料200バーツを払ってゲートを入ると島で一番にぎやかなSaikaew海岸に出る。白砂のビーチが続き西洋人の観光客でにぎわっている。しかし人の多いのもこのあたりだけでこの先のビーチでは人の数は極端に少なくなり、島の最南端Ao Karangまで行くともう浜には人影はない。

 

観光客でにぎわうSaikeawビーチ

 

ジャックフルーツの木

島の中を歩いているとジャックフルーツの木があった。枝から20〜30センチほどのちょっと小ぶりのジャックフルーツがたくさんついていた。ジャックフルーツは大きなものだと50〜60cmほどもあり、中には黄色の果肉がぎっしり詰まっている。町ではこの果肉をビニール袋に小分けにして売っている。

この季節島には桜のような白い花がいたるところに咲いている。ちょうど4月ごろの日本の里山を見ているようだ。でも照りつける太陽は強烈でとてもゆっくり花見などする気にならない。ここでは花より日陰。

 

桜を思わせる白い花

 

静かな海岸

岬をひとつ越えると小さなビーチが現れた。さっきまでの人影もほとんどなくこじんまりとした静かな砂浜に若い二人連れが木陰でのんびりと語り合っている。
砂浜と砂浜の間には小さな岩場があるが、ここは島のなかほどにある大きな岩場の続く海岸。磯つりにはいいところだが、残念ながら今回はつり道具を持ってこなかった。近くでは数隻の漁船が漁をしている。

 

沖合いに浮かぶ小島はKoh Thalu

 

Ao Woi

海岸には島の南端まで歩道がある。道といってもガケがあったり林があったりで山歩きをしているようだ。
いつしか島の中ほどまできた。ここはAo Woiといい途中では一番大きな砂浜でフェリーの桟橋もある。
南に行くほど海の水も透明度を増し、さんご礁と砂地の海底が作り出す美しいグラデーションが続く。

 

さんご礁の美しい海岸 Ao Woi

 

誰もいない砂浜

南端に近づくともう砂浜には誰もいない。ただ波の音が聞こえるだけだ。
島の西側には北の Ao Phrao を除けばほとんど砂浜はない。島の南端にあるAo Kiew Na Naiには小さな砂浜がある。このあたりの海には豊かなさんご礁が広がる。

 

島の西側にあるさんご礁の海 Ao Kiew Na Nai

 

最南端の海岸 Ao Pa Ka Rang

ここがサメット島最南端のビーチAo Pa Ka Rang。 浜の奥には粗末なバンガローが数軒あるが観光客の姿はまったくない。ここまではソウテンを降りてさらに数十分歩かなければならない。
フェリーがついた島の北端Ao Pachaから海岸の遊歩道を3時間ほど歩いてやっとサメット島の最南端Ao Karangに到着した。沖に浮かぶ小島はKoh Chan。岬の先端の公園から急な斜面を下り海岸に行くことができる。島の先端はこれまでの静かな砂浜とは違い岩場の連続する荒海になっている。

 

サメット島の最南端 Ao Karang

山と花のアルバム  
戻る