早池峰山はこの時期週末には交通規制があり登山口へはシャトルバスを利用しなければならないがが平日のため登山口の河原坊駐車場まで入ることができた。登山口は駐車場のすぐそばにあり入口には大きな標識がある。
登山道に入ると道はすぐ樹林帯となり道の両側にはシモツケソウをはじめタマガワホトトギス、クガイソウ、ウツボグサ、センジュガンピなどの群落が次々に現れる。
道は緩やかな登り道がしばらく続きやがて3か所ほど小さな流れを渡る。一番大きな沢にはロープが張ってあるが増水時以外は必要なく飛び石を使って簡単にわたることができる。流れを渡ると次第に大きな石が連続する上り坂となり周りの木々も次第に背が低くなり周囲も開けてくる。
歩き始めて1時間ほどでずっと続いた樹林帯の道も終わり前方に早池峰山が現れる。ここから山頂まではまだかなり距離があるが山頂へは楽に到着できそうに思える。しかしこの先は意外と厳しい道になる。
樹林帯を抜けるとこれまでの景色は一変し、ガレ場が連続し、傾斜がどんどん増してくる。これまで沢沿いの道でさわやかだった風も熱気に変わり照りつける太陽に汗が噴き出してくる。
しかしこのあたりから登山道の両側の草地には高山植物が一面に咲き高度をますにつれ花の種類が次々に変わり山頂まで絶えることなく続く。
上るにつれ傾斜はますます急になる。登山道にはガイドのロープが張られそれに沿って急斜面の岩場を一歩一歩上る。下では見えていた山頂は急傾斜のため見えず、大きな岩が現れるたびに山頂かと思い必死に上るがその岩にたどりつくとさらに先に大きな岩が現れる。
この繰り返しが何度も続きかなり精神的に疲れてくる。しかし上るにつれ周りの花の種類も次第に多くなりやがて早池峰山の象徴ともいえるハヤチネウスユキソウの姿が斜面のあちこちで見られるようになる。
御座走り岩、打ち石、千丈岩と大岩を超えるとさしもの急斜面もやっと終わり3時間ほどで山頂に到着。
山頂で小休止ののち小田越登山道方面に向かう。山頂近くの避難小屋を過ぎると道は緩やかになり、チングルマやハクサンチドリ、アズマギク、イワカガミ、キバナノコマノツメ...と登山道の両側に高山植物の花が次々と現れる。
さらに進むと木道になりその両側一面にはヨツバシオガマなどの群落がある。木道を過ぎると道は再び岩場となり岩の間にはハヤチネウスユキソウなどの群落が見られる。快適な稜線歩きも束の間やがて道は小田越登山道へと入る。
こちらの登山道は河原坊に比べれば緩やかで歩きやすい。下り始めて10分ほどで鉄梯子が現れる。しかしそれほど急斜面ではなく何でもない。梯子は2段になっているが下の梯子は岩場を直接下った方が楽に降りられるくらいだ。
梯子を過ぎても岩場が延々と続き早く土の上を歩きたくなってくる。小田越登山道も高山植物はたくさん見られるがハヤチネウスユキソウ、サマニヨモギ、タカネサギソウ、チシマフウロ、ナンブトウウチソウ、ホソバイワベンケイ、タカネナデシコなど河原坊側に比べ種類がずいぶん少ない。距離的にはほとんど離れていないのに二つの登山道に咲く花がこれほど異なるのは不思議だ。
ミヤマアケボノソウ |
ホソバツメクサ |
ナンブトラノオ |
ナンブトウウチソウ |
ハヤチネウスユキソウ |
ハクサンチドリ |
キバナノコマノツメ |
イワカガミ |
ミヤマアズマギク |
ヨツバシオガマ |
サマニヨモギ |
タカネナデシコ |
タカネサギソウ |
ホソバイワベンケイ |
チシマフウロ
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