ブナ林の奥深くにたたずむ船形山
2007/10/13
宮城県と山形県の県境に位置する船形山は全国的な知
山頂からの展望は素晴らしく360度遮るものがない。前方には歩いてきたブナ林に覆われた仙台カゴや最上カゴ、白髪山などの山が幾重にも続く。平坦な山頂一帯はやや盛りを過ぎてはいるが一面紅葉におおわれ、なだらかな稜線がこの先の三峰山や後白髪山へと続く。
名度は低いが深いブナ林に周りを囲まれた自然豊かな山で新緑や紅葉の美しい山だ。船形山への登山道はいくつもあるが、今回は最も古くから利用されている観音寺コースをとった。このコースは美しいブナ林の中を歩き今の時期はブナやカエデなどの紅葉が美しい素晴らしいコースだ。
車で柳沢小屋の少し先まで入ると林道は終わりここから登山道になる。登山道に入ると美しいブナの森になり少し歩くと周りにはブナの大木が現れ、ところどころ色鮮やかに紅葉したカエデもみられる。しかし今年は紅葉が遅くこのあたりでは少し色づき始めたところで本格的な紅葉はもう少し後になる。
道は起伏が少なくところどころ緩やかな登りがあるがほとんど平坦な道が続く。このコースは船形山まではかなりの距離がありこの先2時間ほど平坦なブナ林の道が続く。
30~40分ほどで菜畑に到着する。ここから右に入ると10分ほどで白髪(しらひげ)山の山頂に出られる。山頂からは展望がとてもいいので時間の余裕があればちょっと寄ってみるのもいい。船形山へはこのまままっすぐ進む。道は次第に左に回り込むように進み右手には白髪山が見えてくる。このあたりに来ると紅葉も少し色づき道の両側のカエデの黄色が美しい。
さらに進むと前方に特異な形をした仙台カゴが現れる。山頂の岩場一帯を覆う紅葉がとても美しい。
仙台カゴの姿もすぐブナの林に覆われ再び平坦な道が続く。このあたりは少し道が悪くところどころ崩落した箇所があるが特に危険なところはない。仙台カゴを回り込むように道が続きやがて左手に船形山が現れる。船形山は山頂が平坦で、ちょうど船をさかさまにしたような姿からこの名がついた。山頂一帯は赤や黄色の紅葉に一面おおわれ今が紅葉真っ盛りだ。しかし山頂ははるか彼方でまだかなりの道のりだ。
ブナ林の道をさらに進み船形山に向かって方向を変えさらに進むと崩落により左手が突然開ける。先ほど木の間越しに山頂しか見られなかった仙台カゴもここからは全容が見られる。
ブナ林の平坦な道はさらに続き2時間ほどで水場の標識が現れる。ここから少し行くと平坦だった道も次第に上り坂となりいよいよ船形山への登り道が始まる。道は次第に傾斜を増し青かったブナの葉も次第に色づき周囲は黄色や赤の紅葉に包まれる。
上り道を10分か20分ほど歩くと突然周りを覆っていた林が切れ眼前に船形山が現れる。最初に船形山を見た時はまだはるか彼方だったがここでは目の前にそびえ、稜線を行く人の姿も確認できるほどだ。
道はさらに紅葉したブナの林の中を上り続ける。上るにつれ次第にブナの姿は消え、変わってカエデやツツジなどの低木になりやっと視界が得られ稜線や周りの山並みが見えてくる。
このままの上り道が山頂まで続くと思っていたら道はますます傾斜を増し木の根っこやロープにつかまらなければ歩けないほどの急斜面になる。おまけに足元は小石で滑りやすくこれまでの樹林帯の道とは一変し険しい道になる。この道も10分ほどで終わり突然道は緩やかな登り道になり周りは遮るものもなく視界が一気に広がる。
山頂はもう目の前だ。吹きつける寒風の中を進むと登山開始からおよそ3時間ほどでやっと山頂に到着した。船形山は平坦な稜線をもち目立っピークはないが尾根の左端の小さなピークが山頂でそのわきには避難小屋がある。
山と花のアルバム