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やっとロライマ山頂に到着 (gets to the top of Mount Roraima
at last.) |
7時半にキャンプを出発して3時ごろやっと山頂に到着した。山頂は下で想像していたのとはだいぶ異なり、黒い奇岩の連続する複雑な地形が広がり、ガイドなしには一体どこをどう歩けばいいのかまったく見当もつかない。
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山頂の岩場を1時間半ほど歩くとやっとテント場に到着する。テント場は大きな岩陰で雨の心配がない。山頂にはほかにもこのような場所が数箇所ありホテルと呼ばれすべてテント場になっている。 |
屋根つきのテント
A tent with a roof
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ダイニングルーム
Dining Room
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ロライマ山頂の散策 (The scene of the Mount Roraima
summit) |
山頂2日目は三国国境へ行く予定だったがあいにく朝から雨でコースを変更し近くの散策に出かけた。 |
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広い山頂はまるでグランドキャニオンを思わせるような複雑な形状の岩が変化のある光景を作り出している。
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崖のくぼ地は登山者にホテルと呼ばれ、格好のテント場になっている。
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ロライマ山はその昔は湖底だったといわれ、そのせいか岩が層を成しておりまるで地球の年輪を見るようだ。
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この層が水平なのはここがほとんど地殻変動を受けていないためなのだろうか。
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水晶の鉱脈が露出したところでは水晶の道が続く。
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広い台地には場所によっては川もあり水晶の谷では底が水晶で敷き詰められた池もある。
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長い間の侵食で岩が複雑な形状を作り出し、動物や人の顔に似たものや奇妙な形の岩などがいたるところにあり、ひとつずつ見ていると何かに見えてくる。
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ロライマ山の標高は2810mで最高点はマーベリックという岩の上だ。しかし同じような高さの岩がたくさんあるので特別目立つわけでもなくいわれなければまったくわからない。
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山頂はほとんど岩ばかりで土がないため、植物は岩場に直接根をはるか、コケに根を張りわずかの水分と栄養分で生きられる植物に限られる。そのため、ここで見られる植物はアナナスのように自分で水分を蓄えることができたり、ランのように乾燥に強く養分をあまり必要としない植物や食虫植物が多い。
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動物はあまり見られないが、泳ぐこともはねることもできないカエル(オレオフリネラ)やサソリ、ゲジゲジのような虫くらいで、高等動物は見られなかった。
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キャンプ地はロライマの南の端にあり崖っぷちまでまでは5分ほどでいくことができる。がけの端で足を押さえてもらってがけの下を覗いてみた。
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あいにくガスで全体は見えなかったがこのまままっさかさまに転落するのではという恐怖で景色を楽しむなどとてもできない。
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ロライマ山頂で見られた花 (クリックで拡大)
The flowers seen at the Mount Roraima summit
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雨の中ロライマ山下山 (leaves Mount Roraima to descend
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ロライマの旅も折り返しを過ぎ今日は下山の日だ。あいにく朝から雨で最後の急斜面の下り道が心配だ。最初の難関は滝の通過。雨で滝の水量は増し、登りのときより激しい勢いで落ちてくる。覚悟を決め滝の下に入るとすさまじい勢いで水がたたきつける。登りでは下は岩場だったが、水量が増し下はまるで川のようになりずぶぬれ状態だ。
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滝を通過してほっとすると今度は予想もしていなかった光景が現れた。登りではふつうの道だったところがいたるところ谷川になっている。ロライマは岩山のため雨が降れば一気に流れ出すので、日本の山では考えられないような急激な変化が起こる。この道は花が多く見られるが撮影どころではない。流れに足をとられないようにポータやガイドのサポートで慎重に下る。
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ここは道だった
This stream was a path
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谷川状態を抜けてしばらく歩くと今度は最後の難関、急斜面が現れる。ザックをポータに預け空身で木や草につかまりながら一歩一歩慎重に下る。この急斜面を過ぎればすぐベースキャンプに到着する。
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ベースキャンプから先はなだらかな草原が出発点のパライテプイまで続く。雨もやっと上がり緊張からも開放され、
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次第に遠ざかるロライマを振り返りながら足元に咲く珍しい花々を見ながらの草原歩きが続く。
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ロライマ山
Mount Roraima
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クケナン・テプイ
Kukenan Tepui
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クケナン川
Kukenan River
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クケナン川
Kukenan River
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クケナン川は増水で渡渉できないので行きと同じようにボートで対岸に渡る。次のテック川は靴を脱ぐのが面倒だしどうせ中までぬれているので靴のまま川に入ったが、川底はコケでつるつる。やはり靴下の方が正解だった。
川を渡ると今日のキャンプ地に到着する。ここではビールが買える。普段ほとんどアルコール類は口にしないが、長時間の歩行でのども渇きのど越しのいい飲み物がほしい。日本の山小屋だとビールは平地の数倍の値段だが、ベネズエラではレストランでも街中でも値段がほとんど同じ。ここでも少し高いが1700ボリバール(公式で1ドル、闇で0.7ドル)と安い。
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トレッキングもとうとう今日が最後 (The last-day trecking at last.)
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ゴールのパライテプイ目指して最後のキャンプ地を出発 (started the last
camp toward Parai Tepuy) |
キャンプを出発すると緩やかな草原を4時間ほど歩けば出発点のパライテプイに到着する。今日は雨の心配はなさそうだが代わりに強烈な太陽の日差しとの戦いが始まる。草原の緑と抜けるような青空が果てしなく続く。
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やっと前方にパライテプイが見えてきた。重い足をひきずりながらやっとパライテプイに到着。すでに迎えの車が到着しており、到着するや否や冷えたビールが渡された。一気に飲むビールのうまさ。もうこれ以上歩かなくてもいいという開放感に、これまでの困難を一瞬すべて忘れ去ってしまう。
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暖かいシャワーとやわらかいベッドでトレッキングの疲れも取れる (arrives at
the comfortable Yakoo lodge.) |
全員そろったところで早速迎えの車に分乗しサンタエレーナの郊外にあるYakooロッジへ向かう。途中町で土産物屋さんや食料品店に立ち寄りみやげ物を買ってやっとロッジに到着。ロッジは見晴らしのいい高台にあり現地のインディオの住居をまねた円形の建物が数等独立して建っている。
久しぶりに暖かいシャワーでこれまでの汗とよごれを流し去り、やわらかいベッドに横になると今までの疲れが一気に消えていくような感じになる。 |
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翌日朝食後にガイドの家を訪問することになった。家はロッジの前の広い敷地に立っており5分ほど歩くと入り口に到着する。ちょうど子供の朝食時であったが突然の訪問に子供は驚くどころか大はしゃぎだ。彼の家族は奥さんと1才くらいだろうか、よちよち歩きの男の子の3人家族だ。
この家は彼が自分で全て建てたという。母屋のそばにはロッジ風の建物がある。ここは一日20ドルの宿泊施設で、これも自分でできるところはほとんど自分で建てたという。日本では自分で家を建てるということはほとんど考えられないが、彼はこの広大な土地を将来は立派なロッジにするという大きな夢があり、その夢の実現のためにがんばっている。 |
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自分で建てた家
The house made by himself
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The future is full of big dream and possibility here.
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豊かな日本にはものはあふれているが、夢も希望も失い、将来に対する不安と閉塞的な社会に無気力と絶望感のみが増大していく。しかしここには広い大自然があり、そこは大きな将来への夢と可能性に満ちている。
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後は飛行機を乗り継いで日本へ帰国と思ったら (Suddenly change of
schedule) |
旅もいよいよ終盤。これからふたたび長い帰途のたびが始まる。 |
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セスナに乗りサンタエレナを離陸するとテプイが次第に近づいてくる。離陸時は天気だったが時々雨も振ってきた。雨といっても一面の雨ではなくシャワーの柱が幾本も立っており、そこだけ雨が降っている。
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不時着
Emergency landing
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しばらくして突然セスナが草原に着陸した。雨で先に進むことができないので途中の村に不時着した。といっても一応滑走路があるので心配はない。 |
天候の回復を待つパイロット
The pilot who waits for the weather turns fine
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パイロットは座席をはずして翼の下で休憩をはじめてしまった。 |
ようやく天気も回復し再び離陸した。テプイのそばを抜けると前方にはまだ雨雲が多くあきらめてサンタエレナに戻ってしまった。 |
再び離陸
Takeoff again
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今日中にシウダーボリーバルに戻らないと次の飛行機に乗れなくなってしまう。しかし今日はもう飛ばないという。どうなることかと心配していると陸路で行くことができ、バスもあるということで一安心。 |
しかし、サンタエレナへ逆戻り
but. the plane returned to Santa Elena
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突然夜行バスで10時間の長旅が始まった。 (We leaves for Ciudad Bolivar by night traveling
bus.)
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We take a night traveling bus to Ciudad Bolivar
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結局夜行バスで10時間かけてシウダーボリバルへ戻ることになった。ベネズエラはまだ政情が安定しているとはいえず国境紛争もあるようで、バスに乗るにはすべての荷物検査を受け、途中では軍によるパスポートチェックが2回もある。 |
The bus reached at Ciudad Bolivar on the morning of the next day
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早朝シウダーボリーバルに到着し迎えの車でホテルに戻った。一機だけ無事シウダーボリーバルに到着していたのでホテルで合流し、あわただしく荷物をまとめ空港へ出発。帰りの飛行機はシウダーボリーバルから1時間ほどのところにあるプエルトオルダスから出発する。ここまでくると後は時間通りに飛行機を乗り継いでいけば無事日本に帰ることができる。 |
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そしてロライマへのたびは終わった (The trip to Mt. Roraima
has been finished. ) |
ロライマのたびは過酷な旅だった。炎天下のグランサバナの長時間歩行、連日の雨、激しく打ちつける滝や突然の増水による困難な下山と。しかし長年漠然と抱いてきたギアナ高地への憧れを現実のものとすることができ、夢を楽しい思い出の一ページにすることができた。しかし最大の目的としていた花の撮影は、連日の雨と長時間の行動、それに不運にも体調を崩すというアクシデントのため満足するほどの結果が得られなかったのは心残りだ。
旅も後半に差し掛かるとなぜかネパールが無性に恋しくなってきた。南米とヒマラヤの間で好奇心がピンポン玉のように行ったり来たりしている。次はヒマラヤか、それともイレギュラーして他のところか。 |
おまけ。シカゴから日本に向かう途中アラスカ上空を通過した。残念ながらマッキンリーの姿は確認できなかったが、一面の雪と氷河に包まれたアラスカの広大な大地が見られた。
(The scenes of Alaska from the window of the airplane)
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山と花のアルバム
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