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標高2700mのルクラから4750mのゴーキョにいたるトレッキングルートに咲く高山植物を求め雨季のヒマラヤを往復2週間かけて歩いた。ルクラからゴーキョまでほとんど花が絶えることはなく、この間に見られた高山植物は百数十種を数えた。また雨季にもかかわらず比較的好天に恵まれ、ゴジュンバ氷河周辺の高峰をはじめエベレスト方面の山の展望も得られ一面緑に覆われたヒマラヤの山岳景観と花を同時に楽しむことができた。
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7月21日 カトマンズからルクラへ、ルクラからトレッキングを開始しパクディンへ |
<往路>曇りのち晴れ/<復路>うす曇
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朝一番のルクラ行きの飛行機に乗るため朝5時ころホテルを出発。空港でガイドと合流し搭乗手続きを済ませ出発の時間を待つ。
前回1991年には天気がいいのにルクラまでの飛行機がなかなか飛ばずやきもきした。今回はあいにくの曇り空であきらめ気分で待合室で待っていると搭乗開始の連絡が入った。
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カトマンズを離陸すると一面の緑に覆われた田園風景が続き次第に山岳部へとはいる。稜線をかすめ飛び続けること30分ほど。前方の山の斜面が近づいてくるといよいよルクラ到着だ。あいにく雨季のためガウリサンカールの山は見られなかったが新装成ったルクラの飛行場に無事着陸。
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15年前はまだ滑走路は舗装されておらず石ころがゴロゴロ転がりまるで造成地のような場所だった。おまけに滑走路の脇には飛行機がひっくり返ったまま放置されており帰りがとても不安だった。
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ルクラの村も以前に比べすっかり様変わりしロッジが沢山建ちどの建物もきれいになっている。一旦ロッジで休憩後現地ポータと合流しゴーキョ目指してトレッキング開始。
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今ネパールは雨季でトレッカーはほとんどいない。村では10月からのシーズンに間に合わせるためロッジの改修や新築があちことで行われ石を切る音が絶え間なく響き渡る。
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来る前は雨季のトレッキングのためヒルのことが非常に不安だった。いろいろ対策を調べたが決定打は無く結局虫除けスプレーのみを持参した。ところがルクラから先にはヒルはいないということで一安心。
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村を出ると道の両側には早速多くの花が咲いている。ハハコグサやシオガマ、インパチエンス、オトギリソウ、シソ科などの大型の花、フウロソウ、サキシフラガの仲間、イチゴの仲間、マメ科の仲間などの小型の花など。中でもムシトリスミレや黄色のスミレそれに黄色のランの花など日本ではなかなか見られない花が小群落を作っていたるところに咲いている。
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今日の宿泊地パクディンまではくだり道をゆっくり歩いて3時間ほどの行程だ。最初は畑の多いのどかな田園風景が続き次第に谷あいの道となりゴンパを過ぎると渓谷沿いの起伏の多い道になる。
ルクラ到着時は曇空だった天気も次第に回復し強い日差しが肌を射す。下り道ガ多かったからか、トレッキング開始で周りの景色や花を見て歩いていたせいかあまり歩いたという実感がしないうちに今日の宿泊地パクディンに昼前に到着。
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7月22日 パクディンからナムチェバザールへ |
晴れ/快晴
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トレッキング2日目は昨日に比べ行程が長くおまけに標高2652mから標高3440mまでの上り道になる。特にナムチェバザール手前には標高差600mの長いのぼりがある。
パクディンを7時ころ出発。天気は夜明け前まで降り続いた雨も上がり快晴。パクディンを過ぎると道の脇にはジキタリスのような大型の花が多く目に付くようになりやがて赤紫のロスコエアが現れる。ロスコエアはこの先ナムチェバザール手前の急なのぼり道までづっと咲き続ける。
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道はアップダウンを繰り返し何度かつり橋を渡り徐々に高度を増す。Toc-Tocを過ぎるころから道は狭い谷あいとなり崖には黄色のランやミズトンボ、しそ科の花やシオガマなど高山植物らしい花が多く見られるようになる。
やがてモンジョのチェックポストに到着。ここで入園手続きを済ませる。このチェックポストの前の岩場には黄色のランやムシトリスミレが崖一面に咲いている。
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チェックポストから急なくだり道となり小さなアップダウンを繰り返すとやがて高度感のあるつり橋に出る。このつり橋を渡るとナムチェまで延々と続く長い上り坂が始まる。
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階段状の急坂が延々と続き普段あまり歩いていない足にはかなりの負担となり足取りも重くおまけに照りつける太陽と湿気に汗だくになりながらひたすら階段を上がり続ける。道の両側にはロスコエアやランの花などが咲き続ける。階段状の急なのぼりも終わると緩やかな斜面となりまわりは樹林帯となる。樹林帯に入ると花は極端に少なくなりピンク色のタリクトラムが多く見られるようになる。数は少ないが大型の鮮やかなユリ、リリアセア・ネパレンスも林の中に見られる。
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樹林帯が切れると急に視界が広がり前方にナムチェバザールが現れる。ナムチェバザールはチベットとの交易の中継点で、毎週土曜日には市が開かれ近隣の村人でにぎわう。ナムチェバザールも14年前に比べると見違えるように変わりロッジの数が斜面一面に立ち並びこんなにロッジが多いと共倒れになるのではと思ってしまう。これでもまだ不足しているようで谷にはロッジを新築するための石切の音があちこちから聞こえてくる。
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ロッジに入ると内部はとてもきれいで電気がありテレビまでおいてある。部屋は個室できれいなベッドが用意されトイレは水洗になっている。食事はネパールの香辛料が苦手なため日本風の味付けを頼むとしょうゆ味の料理が出てきた。前回は大部屋でトイレは庭に彫った穴だったのに比べ実に快適になった。
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本日の出費 620Rs (宿泊費、夕、朝食、水...)
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7月23日 ナムチェバザールからクムジュンへ |
小雨後晴れ/快晴
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7月24日 クムジュンからポルツェタンガへ |
曇り一時小雨/快晴
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7月25日 ポルツェタンガからドーレへ
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曇り/曇り
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朝起きると脈が異常に速い。昨日まではまったく異常が無かったのに標高を下げたら高山病の症状が出てしまったようだ。4000m以上のところは何度も経験し高山病もここ数年経験していなかったがこの高度で高山病になるのは初めてだ。少し上りになるだけで息苦しい。しかしそのほかはまったく異常は無く頭痛も無ければ食欲もいつもと変わらない。
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今日もあいにく曇り空で今にも降り出しそうな天気だ。今日の目的地ドーレは標高4200m。ポルツェタンガから600mあまり高い位置にある。実際にはアップダウンがあるのでそれよりずっと上り道を歩かなければならないのは苦痛だ。 ロッジを出発するとしばらくは樹林帯ののぼりが続く。タリクトラムやサクラソウが咲いているが樹林帯のため種類も量も少ないが珍しいフウロソウがここでは見られる。何度も休憩しながら少しづつ高度をあげるとやがて樹林帯を抜け前方に滝が現れる。このすこし先からは道は緩やかになる。
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平坦になるとさっきまでの苦しさもなくやっと普通に歩くことができるようになった。とはいえまったくの平坦な道は無く小さなアップダウンが連続しそのたびに息苦しくなる。道の両側は草つきの緩やかな斜面が続きヤクの放牧地になっている。ヤクに踏まれた後には花は少ないが斜面にはたくさんの高山植物が咲いている。しかし気力が落ち帰りに同じ道を通るので花の撮影はあきらめドーレ目指してひたすら歩くことにした。 |
やがて前方にドーレが見えてきた。緩やかな下り坂を下り菜の花畑の中を突っ切ると今日宿泊するのロッジに到着。ここのロッジは昨日と違い個室で建物もきれいだがトイレは自然環境に配慮したシンプルなものだ。 |
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本日の出費 510Rs
(宿泊、3食、水...)
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ナムチェ〜ドーレで見られる花 |
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7月26日 ドーレからマッチェルモへ |
晴れのち曇り/快晴の地曇り
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7月27日 マッチェルモ滞在
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曇り/快晴
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7月28日 マッチェルモからゴーキョへ
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曇りのち時々晴れのち曇り
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7月30日 ゴーキョをあとに |
快晴
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旅を終えて
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ヒマラヤの高地に咲くめずらしい高山植物を求めルクラ〜ゴーキョまでを歩いた.。期待していたサウスレアなどが見られなかったのは残念だが、標高2600〜5000mの標高差は気候も大きく異なり、そのため花の種類も多く150種以上を見ることが出来た。ただこの地域は花の咲くところはほとんどが放牧地になっており、そのためか花は平坦なところでは少なく斜面に集中している。生活が豊かになり放牧される家畜の数も増えつづけると貴重な植物が次第に失われていくのではと心配になる。何とか生活と自然保護のバランスをとり貴重な植物を残してほしいと願う。
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この時期は雨季でトレッカーの数も少なく花を観察するには好都合だ。心配していた雨も午前中はほとんど降らず、今回のトレッキングでは後半は連日晴天に恵まれあきらめていたヒマラヤの山々を見ることが出来一度で二度ヒマラヤを楽しむことが出来た。
確かにルクラ〜ゴーキョまでの道のりは遠く高度差も大きく楽ではないが、一面の緑に覆われたヒマラヤ山中を花を求めて歩く夏のトレッキングもすばらしいものだった。 |
最後にトレッキングをサポートしてくれたガイドのザンムーさん、ポータのテンバさん、特にテンバさんにはゴーキョピークでの撮影を快く引き受けていただき大変感謝しています。今回見られなかった花がいつか見られることを夢見て終わりとします。 |
お断り:
□掲載した写真は往路と復路で撮影したものが混在しています。
□今回は宿泊と食事は個人もちでしたので出費額を書きましたがあくまで参考程度にしてください。
□天気は歩行中の天気で一日の天気ではありません。午前中快晴でも午後はほとんど曇り、夜には雨が降ります。
□花の名前は間違いがあるかもしれません。、また名前の分からない花も多くあります。
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山と花のアルバム
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