春まじかの湯船山散策
(2004/03/28)
丹沢の西にあり訪れる人も少ない湯舟山は、展望にはあまり恵まれないが、山頂には美しいブナ林に覆われた長い稜線が続き、新緑や紅葉の時期には特に美しい山だ。まだ新緑には少し早く、残雪の残る湯船山には歩く人も無く、木々の間から雄大な富士をはじめ箱根、道志の山々を眺めながらのんびりと静かな山歩きを楽しむことができる。
湯船山は丹沢の西にあり丹沢と三国山をつなぐブリッジのように平坦な長い稜線を持った山だ。湯船山の名もこの形状からきているのだろう。
湯船山の登山口は3箇所ほどあるがいずれの登山口も交通が不便なのでマイカー利用が便利だ、もっとも便利で利用者の多い西側の明神峠の登山口から入山する。
明神峠から少し駿河小山側に下ったところに登山口がある。登山口を上がると愛鷹山から箱根方面の展望が広がり平坦な道が続く。
5分ほどで送電塔の下に出る。周りの杉林の上には富士山を始め三国山から道志の山々を見渡すことができる。
送電塔から先はしばらく杉林が続く。湯船山は自然林が比較的よく保存されている山でこのコースで杉林を歩くのはここだけだ。
道は緩やかなのぼりになり10分も歩くと明るい雑木林に出る。
まだ新緑には早いこの時期は枯れ木ばかりだが、4月半ばになれば新緑の木々の下にはスミレの群落や山野草などが沢山見られる。
雑木林を過ぎると少し下り坂になり湯船山が正面に見えてくる。しかし山頂はこの山の先にある。
熊笹の下り坂からは再び箱根方面の展望が開けてくる。
少し下ると再びのぼり坂になり緩やかな雑木林の道が山頂まで続く。
4月中旬からは生き生きとした新緑の中を、足本に咲く可憐な山野草の花を見ながら、次第に姿を現す道志の山並みを眺めながらのんびり歩くことができる。

山頂に近づくにつれ雑木林は次第にブナの林に変わる。
湯船山は長い稜線を持ち、稜線には美しいブナの林が続く。展望はあまりよくないがブナの林の続く稜線を歩くことができるのがこの山の魅力だ。

山頂が近づくにつれ視界をさえぎっていた木々の間からは次第に周囲の山が見えてくる。右側は箱根の山々が、左側には道志の山々が、そして振り返ると富士の姿が次第にその高さを増してくる。
緩やかに続く美しい林の中をのんびり歩いていると道は急に傾斜を増し、すぐ前方に山頂が見えてくる。
登山口からのんびり歩いて1時間弱で山頂に到着する。
山頂は周りをブナなどの林に覆われており、展望はあまりよくないが富士山の姿が美しい。
山頂にはベンチがあるのでここでしばらく休憩したあと、この先に続く湯船山の長い稜線歩きに出発する。

湯船山の稜線はこの先、途中世附峠を経て西丹沢の不老山まで続く。山頂一帯は美しいブナ林に覆われ、新緑の時期や紅葉の時期にはすばらしい山歩きができる。交通が不便なため訪れる人も比較的少なく、ブナ林の中を一人静かに歩くことができる貴重な山だ。


スミレの群落(4月中旬)

新緑時の雑木林(5月中旬)

新緑時の山頂(5月中旬)

新緑時のブナ林(5月中旬)
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