新緑とツツジに彩られたやせ尾根の連続する三峰山


(2004/04/25)

登山口までは長い歩きが続く
三峰は交通が不便なためバスの場合は登山口までかなり歩かなければならず車での山行が便利だ。その車も最近は途中にゲートができ駐車場から登山口までは結構な距離を歩かなければならなくなった。
ゲートから少しすすむと長いトンネルが現れる。このトンネルを出ると景色は一変し、右手は深い谷になり前方には新緑に覆われた三峰の山が現れる。
舗装道路を15分ほど歩くと以前の駐車場が現れる。ここからさらに舗装道路を進み前方が杉林になるといよいよ登山口だ。
杉林に入るとすぐ標識が現れる。前方に続く階段を進むと大山へむかう。すこしわかりにくいが標識から右に入ると三峰への登山道になる。杉林の中ではこの時期にはカントウコミヤマカタバミの可憐な白い花が見られる。
新緑の続く急な斜面を登り稜線へ
杉林を出ると道の両側にはスミレの花などが見られるようになりすぐ最初の鎖場が現れる。三峰は急峻な地形のため丹沢では珍しく岩場ややせ尾根があり、この先ところどころに鎖場が現れる。
登山道は谷川に沿って続き、途中の岩場にはハルユキノシタが見られたが最近急に乾燥しまったく姿を消してしまった。三峰山はそれほど多くの山野草は見られないが、それでも道の両側にはスミレやケマンなどの花が稜線まで見られる。
         
最初の鎖場を過ぎると明るい潅木林に変わる。今の時期は一面目の覚めるような新緑や黄色のヤマブキの花、それに時期によっては桜やミツバツツジなどの花も見られとても気分のよいところだ。
道は渓流沿いに続き、何度か川を渡り、時には川を迂回しながら徐々に高度を上げていく。
2番目、3番目と鎖場を通過し急斜面を登るにつれ次第に右側が開けてくる。
途中に一部崩壊したところがありここからの景色はこのコースでもっともよい。というか三峰は山頂まで樹林帯が続き、展望を得られるのはここだけだ。
今日は朝から抜けるような青空で空気が乾燥し、この時期としては視界はとてもよい。相模平野の先には三浦半島や房総半島もはっきりと見え、東京湾を行きかう船も見ることもできる。
展望を楽しんだら再び急斜面の登山道に戻る。このあたりは潅木が多く以前はいたるところにツツジの花が咲いていたがどうしたわけか最近ではほとんどつつじの花が見られなくなってしまったのは残念だ。
緊張の連続するやせ尾根が続く
急なのぼりもいよいよ最後。階段をのぼりつめるとやっと稜線に出る。ちょうどここにはベンチがあるので汗が引くまでしばらく休んでいくとよい。ベンチの後ろには今まで見えなかった大山や丹沢山などが見え、これから向かう三峰山もよく見える。
ここから先はいよいよ三峰山の核心、鎖場とやせ尾根が連続する緊張の尾根歩きが始まる。山頂まではこれから二つのピークを超えていく。
ベンチを出発すると平坦だった道が急にガレ場の急なのぼりになる。ここからピークまでは鎖があるので足場の悪いところは鎖を使って登る。
最初のピークを過ぎると道はさらに険しくなりいきなりやせ尾根のくだりになる。鎖を頼りに慎重に下る。この先は小さなアップダウンが連続し場所によっては数十センチの狭い尾根もあり慎重に歩かなければならない。
稜線の両側は急峻ながけになっているが木が多く、今の時期にはミツバツツジや白ヤシオの花も咲き始め、これらの花に緊張も一瞬和らぐ。

2番目のピークにくると三峰山はもう目の前だ。はしごと鎖で一旦鞍部まで降りたら山頂まで一気に上りつめると三峰山頂に出る。山頂はあまり広くないのでシーズン中はすぐ人であふれてしまう。

山頂からは昨日降った雪が残る丹沢山や丹沢最高峰蛭が岳が真正面に見える。背後は相模平野を一望でき、厚木の町から遠く横浜や都内の高層ビルも見ることができる。

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