新緑とミツバツツジを求めて畦ケ丸山頂へ


2004/04/30

 畦ケ丸への代表的な登山道は大滝キャンプ場と自然園の2箇所ある。大滝側は展望はほとんどないが樹林帯が続き、山頂付近ではこの時期ツツジの花が見られ、また道は危険なところも無く比較的歩きやすい。一方自然園からの登山道は展望はよいが登山道はところどころ歩きにくいところがある。今回は新緑の美しい大滝キャンプ場から入ることにした。

バスを降りるとすぐ斜め前に大滝キャンプ場の黄色い看板があり、その少し先に登山道の入り口がある。しばらく渓流沿いの新緑に包まれた林道を歩くとやがて杉林が現れ、道は大きくカーブするので林道を外れて直進する。杉林に入るとすぐ平坦な道は終わり登山道に入る。
 杉林を抜けると登山道は渓流に沿って緩やかな道が続き、周囲は一面新緑に覆われすがすがしい気分で歩くことができる。やがて左手に大滝が見えてくる。登山道から滝の直下へ行く道もあるが登山道からも滝はよく見える。
 滝を過ぎ、なおも登山道は渓流沿いに続き、途中何度か渓流を渡る。道は次第に渓流を離れ新緑の中の緩やかなのぼり道になる。ここまでくるとあたりは静寂に包まれ時々鳥のさえずりが聞こえるだけだ。途中ベンチに腰を下ろし物音ひとつしない新緑の中にいると心の重しが次第に消えていき無心になっていくような気がする。
 ベンチを出発ししばらく歩くと再び渓流沿いの道になり、そのまま進むとやがて前方に避難小屋が見えてくる。
 避難小屋で一休みしてから出発すると道はしばらく川原歩きとなり谷は次第に狭くなる。このあたりに来ると道の脇に可憐な白い花をつけたシロカネソウが目につくようになる。大滝側の道は樹林帯が多く草花は比較的少ないが、途中日当たりのいいところではスミレやエンゴサク、ツルキンバイなどの花が見られる。
 道は再び渓流を離れ高度を増していく。登るにつれ森林の様子も次第に変わりナラやブナの木が現れる。展望も少しよくなり大界木山が見えてくる。
 美しい新緑の中をさらに進むと今は廃道になっている東海自然歩道の分岐点の大滝峠上に到着する。ここにはベンチがあるので少し休んでから再び山頂目指して斜度の増した杉林の道を登る。
 道が平坦になると景色が徐々に変わりやがてブナの原生林になる。5月はじめにはこのあたりからミツバツツジが一斉に花を開きツツジの花に包まれて歩くことになる。が、しかし今年はどうしたことだろう。ツツジの花はどこにも無い。枝を見ても花もつぼみも無い。あるのは開き始めた3枚の葉だけだ。地面を見ても花が散った様子も無い。せっかく期待してきたのに残念だ。でもここから山頂一帯には美しいブナ林が続きブナの巨木も多く見られる。ちょうど若葉が一斉に芽吹き生き生きとしたブナ林の中を歩くのは実にさわやかだ。
 山頂直下に来ると急傾斜になる。このあたりは花崗岩の砂地で以前は歩きにくかったが今は山頂まで階段になっているので歩きやすくはなった。しかしどの山も同じような道になり畦ケ丸へ来たという感じがしなくなってしまった。
 息を切らして階段を登りつめるとベンチが現れる。でもここはまだ山頂ではない。山頂は100mほど先にある。畦が丸は山頂が平坦ではっきりとしたピークは無く周りが木で覆われておりどこが山頂かわからずうっかり通り越してしまう。山頂には山頂を示すケルンがあるのでわかるが以前は小さな標識があるだけで通り越してしまうこともあった。このケルンはいつできたのだろうか。
 畦が丸はほとんど展望は無く避難小屋からわずかに西丹沢の山が見通せるだけだ。避難小屋からは大室山から菰釣山に続く丹沢の一番奥を取り囲む稜線へ奇跡的とも思えるようにやせ尾根でにつながっており、ここから大室山方面や菰釣山方面へ行くこともできる。
残念ながら今年は期待したツツジが見られなかったが、また来年に期待して同じ道を引き返すことにした。
このホームページの丹沢アルバムに畦ケ丸のツツジガ美しいときの写真がありますのでぜひご覧ください。
山と花のアルバム  
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