山野草を求めて特異な山容の矢倉岳

2004/05/15

 新緑の万葉公園から檜林へ

 矢倉岳への登山道は正面の矢倉沢本村と反対の万葉公園から、箱根古道から、それとちょっと遠いが21世紀の森からの4ケ所あるが、ほとんど正面の矢倉沢本村か万葉公園からになる。正面からの登山道は途中から急斜面になり山頂まで2時間ほどかかる。万葉公園からは比較的平坦な道が続き一時間足らずで山頂に到着することができ、途中山野草も多く見られるので車が利用できる人は万葉公園からの登山道が便利だ。

 万葉公園一帯も山野草が多く春先には一面スミレの花が咲き草ボケなどの早春の花も見られる。今の時期はちょうど早春の花から夏の花への交代の時期で一面緑に覆われ花はやや少ない。それでもキンポウゲや咲き始めたエンゴサクやナルコユリ、山ツツジなどの花が見られる。6月半ばになると夏の花も最盛期になり一面多くの花で覆われる。
 平坦な道が続く檜林を抜けて矢倉岳取っ付きへ
 万葉公園を過ぎると檜林に入る。こここから先は延々と檜林の中を歩くことになる。矢倉岳は山の中腹まで檜の植林に覆われ万葉公園からのルートは矢倉岳までづっとこの檜林が続く。
 檜林に入ると花はほとんど見られなくなるが陰性のオニシバリやチゴユリなどはところどころで目にすることができる。この林も途中で何箇所か展望が開け、目指す矢倉岳や箱根の山を見ることができる。日当たりのよいところでは草花も多く見られる。
 林の中の道は緩やかな下り道が続き30分ほどで下り道が終わりいきなり急なのぼり道になる。ここまでくると矢倉岳山頂もだいぶ近くなり道の両側に春先にはぼけの花や木苺の花が多く見られる。
 急な上り坂の途中で左にそれる道がある。あまり歩かれていない道だがこの先にはスミレの群落があるので、4月はじめのスミレの時期ならちょっとよってみるのもいい。  傾斜がゆるくなると檜林も終わり次第に潅木林に変わる。すぐ21世紀の森への分岐が現れるが矢倉岳へはまっすぐ進む。
 豊富な山野草と富士の展望を楽しみながら山頂へ
 檜の林が終わると急に道の両側にはいろいろな草花が現れる。潅木林の下にはアギスミレやムラサキケマン、ジロボウエンゴサク、キンポウゲなどの花に混じってバライチゴの花も見られる。
 潅木林が終わりかけると急傾斜になりその斜面を登りきると急に展望が開け背後に富士山が現れる。このあたりからいっそう花の種類も増え、ウツギやフジ、ノイバラなどの花木も多くなる。
 このあたりには今の時期はキンポウゲやタンポポに混じり美しい青色のホタルカズラも見られる。
 再び急な階段になると展望は一段とよくなり、青空の中に富士を背景にして咲くウツギの花が一際美しい。
 6月中旬にはこのあたりはピンクのシモツケが一面に咲き花の中を歩くようになる。
 広々とした草原の山頂からは雄大な展望が
 この階段を登りきると矢倉岳山頂に到着だ。花を見ながらでも一時間足らずで山頂まで来ることができる。

 山頂は広い草原で展望はすばらしい。特に初冬には冠雪した富士をはじめ箱根の山から相模湾上の伊豆七島、丹沢の山までぐるりと展望を楽しむことができる。
 山頂一帯でも多くの花が見られる。前面の草付きの斜面や潅木林にはいろいろな花が見られるので展望を楽しんだ後はこれらの花を求めて山頂一帯を歩くと珍しい花にもめぐり合うこともある。

 

矢倉岳で見られる花
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