白石峠から加入道山、大室山を越え犬越路から用木沢へ下る
用木沢出会いから白石峠

登山口の用木沢出会いは西丹沢からバスを降りて林道を歩くか車で来ることができる。以前はさらに奥まで車で入れたが最近は自然保護のため入れなくなった。
用木沢出会いから白石峠への登山道はしばらくは舗装道路が続きやがて沢沿いの道になる。

このコースには堰堤が次々に作られ、以前は広い川原を歩くことができたが今は沢の脇道を歩く。振り返ると東丹沢方面が開け、あまり目にすることがない丹沢裏側の山が美しい。

次第に沢を離れ杉林の緩やかな登り道になる。一時間ほどで向かいの斜面に白石滝が見えてくる。この滝は大理石の滝で、白石の名はここからきているのだろうか。しかし滝の色は黒い。紅葉の時期にはこの滝の回りは美しい紅葉に包まれこのコースでももっとも美しいところだ。
滝を過ぎると森は広葉樹の自然林になり新緑の時期や紅葉の時期には美しい木々を見ながら歩けば疲れも忘れる。
峠に近づくにつれ傾斜はきつくなるが2時間ほどで峠に到着する。峠から道は加入道山とモロクボ沢方面に分かれる。
白石峠から加入道山を超え大室山へ
大室山へは加入道山への道を取る。加入道山までは緩やかな登りの稜線歩きになり、葉の落ちた初冬には振り返ると雪化粧をした美しい富士の姿が木の間越しに見える。加入道山は緩やかな稜線のピークにあり休憩のベンチがあるだけでうっかりすると通り過ぎてしまう。すぐ近くには避難小屋もある。
加入道山を過ぎると平坦なブナの美しい森となる。新緑の時期には特に美しいところでのんびりと歩きたくなる。平坦な道が一旦下りに差し掛かると前方に前大室山が、その奥に大きな山容の大室山の姿が現れる。前大室山の急坂を登るにつれ今まで見えなかった西丹沢の山並や富士も次第に見えてくる。でも木が多く写真撮影は難しく大室山までは撮影ポイントはない。
前大室山を過ぎるとしばらく緩やかな下り道が続き大室山手前で一気に下る。鞍部からは長い上り坂が大室山山頂まで続く。しかし登るにつれ見晴らしは次第によくなり木々で覆われていた展望も一気に開け、モロクボ沢から畦が丸に続く稜線が一望でき、その先には三国山や御正体の山が、そしてそれらの山々の上には富士がそびえる。さらに天気がよければはるか南アルプスの山並みも望むこともでき、この雄大な眺めに疲れも吹き飛ぶ。
上り坂はさらに続くが山頂が近づくと道は平坦になり木道が現れる。初夏にはこの一帯はバイケイ草の群落に覆われる。木道が終わるとやがて犬越路の分岐に出るが山頂はこの先にある。
平坦な道を5分ほど歩くと大室山の山頂に到着する。山頂は周りが木に覆われており展望はほとんどないが初夏には山頂一帯ではキクザキイチゲの花が見られる。
大室山から犬越路へ下り用木沢出会いに戻る
再び犬越路の分岐にもどる。ここからは急な下り道となりやがて緩やかな下り道が犬越路まで続く。犬越路は丹沢から道志への道と大室山から熊笹の峰を越えて檜洞丸へ続く稜線の十字路になり峠には避難小屋もある。
峠からは出発点の用木沢へ下る。用木沢は新緑や特に紅葉が丹沢でもっとも美しいところでハイカーの数も多い。道はやがて沢に出ると沢沿いに用木沢出会いまで続く。用木沢は以前は沢の両側を美しい広葉樹に覆われた広い川原の中を歩くコースで、紅葉時には谷一面が赤や黄色に染まりすばらしいところだった。しかし今は堰堤が幾重にもでき、干上がった川原には植林がされ中途半端な景色になってしまったのは残念だ。

2003年11月2日の山行を元に作成しました。
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