地図にない丹沢大山登山道

(2004/11/28)

 大山への登山道といえばほとんどの人はヤビツ峠か下社からの登山道を利用する。他にも蓑毛道や日向薬師、光沢寺などのコースがあるが、もう一本地図にない登山道がある。
ヤビツ峠から県道70号を40分ほど宮が瀬方面に歩くと諸戸山林事務所の建物が見えてくる。ここから大山山頂へ行く登山道がある。
 大山といえば丹沢でもっとも登山者の多い山で平日でも多くの人が訪れ、時には行列ができることもある。
何度も歩いているとこの人の多さがちょっとうっとおしくたまには静かな山歩きをしたいと感じる。しかし、この地図にない登山道は歩く人も少なく、他の登山道のように階段もなく、登山口を除けば美しい自然林の中を静かに歩くことができる。しかも道は多少荒れているところもあるが危険なところもなく快適な山歩きができる道だ。
 今回はこの道を下山路にとったので山頂から登山口までを紹介する。

(1994/05/06)

(1990/10/27)
 ヤビツ峠から上ってくると下社からの道と合流する直前に見晴らしのいいところがある。春、新緑の時期ここからの眺めはすばらしく、みずみずしい若葉の中に薄墨色の桜の花が点在し、秋には紅葉が美しく、のぼりの疲れを忘れさせてくれるようなすばらしいところだ。ちょうどこの前方にある尾根にその道はある。

 大山は丹沢の端に位置し、しかも海側にあるため山頂からの展望はすばらしい。
 
右手には箱根、伊豆半島の山、前方の相模湾上には伊豆七島が、そして海岸線をたどると江ノ島から三浦半島、房総半島へと続き、さらに左に目を転じると関東平野にひときわ高くランドマークタワーや新宿の高層ビル群そびえ、はるか遠くには筑波山や上越の山も望むことができる。
 
山頂で十分展望を楽しんだら裏側を通って下山する。


(1990/10/27)

(1990/10/27)

(1990/10/27)

(1990/10/27)
 裏側に回ると今度は視界一面に丹沢の峰々が現れ、左のほうにはひときわ高く富士が、さらに天気がよければ南アルプスやはるか奥秩父の山まで見渡すことができる丹沢でも屈指の好展望が得られる。
 ここから下社への登山道に向かって2〜3分歩くと右に入る道が現れる。ここがこれから紹介する地図にない登山道の入り口だ。
 入り口には白い看板があるのですぐわかる。この道はヤビツや下社からの登山道と違って直線的に登山口に下るので急勾配のところもあるが全体的にはなだらかな尾根続きの道だ。
 道は最初は潅木林の緩やかなくだり道が続き、前方には葉が落ちた季節なら二ノ塔、三ノ塔が大きく聳え、新緑や紅葉の時期なら美しい木々の間を歩く。
このあたりでは横道が幾筋も現れるが、これらの道は途中でなくなったり不明瞭になるので絶対に入らないようにして道をはずさないようにする。道は比較的歩かれているので注意して歩けば道をはずすこともないし、所々に標識もある。
 道はしだいに傾斜がきつくなる。この道にはまったく階段がなく、少し荒れているので歩きにくいところがあるが、周りの木や熊笹につかまりながら下れば特に危険なところもない。
 急傾斜が終わると周りをブナなどの広葉樹に覆われた気持ちのよい尾根道になる。道もしだいに広く緩やかになり快適なくだり道を一人のんびり歩いていると気分も爽快だ。今回は紅葉も終わり木々の葉もすっかり散ってしまっていたが、新緑や紅葉の時期ならどれほどすばらしいことだろう。
 大山は丹沢の中では比較的自然林が多い山だが、このような自然林の中を歩けるところは他には光沢寺のコースぐらいしかない。しかし光沢寺のコースは急でのんびり歩くことはできないのでこのみちは貴重な道だ。
 この快適な道も再び傾斜を増し、下るにつれ次第にアセビなどの常緑樹の姿が多くなる。道はさらに傾斜をまし細い尾根道になり一気に高度を下げるとヒノキの植林帯へ入る。
 植林帯へ入ると道はごろ石の少し歩きにくい道になる。植林をすると落ち葉などの堆積がないので表土が流され、表面は次第に石が露出しやがて崩壊していく。
植林の森をさらに下るととやがて右手から谷の流れが聞こえてくる。谷の音が次第に近づくと急に開け、植林もここで終わる。ちょうど今年は暖冬で今がこのあたりは紅葉のピークで、赤や黄色に色づいたもみじが美しい
 紅葉の林を抜けるとすぐにヤビツ峠からの県道に出る。ここで大山からの下山道も終わりだ。ここからは県道を45分ほど歩くとヤビツ峠に到着する。ヤビツ峠からはバスで秦野へでてもよし、歩き足りない場合はさらに蓑毛まで歩いて下るのもよい。
山と花のアルバム